note

日々の研究を記します。

  1. HOME
  2. ブログ
  3. チカ .K
  4. マクロ経済学第48回 失業類型

マクロ経済学第48回 失業類型

 失業とは、「労働者が働く意志と能力をもちながら職につけない状態」です(『経済学小辞典』引用)。また、「失業率(unemployment rate)」とは、労働者に占める失業者の割合のことです。

 この失業に関する類型(定義)には、様々なものがあります。

 ここでは、政府が解決可能かどうかによる類型のみを述べます。ほかの言葉で言い換えれば、政府による有効需要政策によって失業が解消できるのかどうかという点からの類型といえます。

 経済政策によって解決可能な失業は、「非自発的失業」です。

 これに対して、解決不能な失業は、「自然失業(natural unemployment)」といわれています。

 この自然失業の中は、第一に、「自発的失業(voluntary unemployment)」であり、第二は、「摩擦的失業(frictional unemployment)」であり、第三は、「構造的失業(structural unemployment)」があります。

 ただし、自発的失業は、「自らが仕事につかない」という意味では失業の定義に入らないともいえます。ただし、「現状の賃金水準では働きたくない」という意味では失業といえます。

 摩擦的失業とは、労働の需要者である企業側と、労働の供給者である労働者側においても、労働に関する「情報の非対称性」によって生まれる失業のことです。前者では、自企業に望ましい労働者がどこにどの程度いるのかということであり、後者では、労働者が自身の望ましい仕事の探索問題です。この解消のために、公共職業安定所(ハローワーク)や民間のジョブ・マッチングサイトもありますが、それは労働に関する情報の非対称性の一部の解消は可能でしょうが、完全な解消は原理的に困難だと考えられます。

 構造的失業とは、経済構造の変化に伴う失業のことです。様々な産業や労働は、生産技術や商品の需要の変化によって、その構造を変化させますが、それに伴う失業のことです。

 マクロ経済学は、国民所得の増加と失業率の低下が大きな関心事なので、失業の分析にかなりのスペースを割いて論じています。

関連記事