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第8回 キズナの基礎

 人がネットワークを構築し、シナジー効果を生み出すためには、やはり人の心が大切でしょう。他の人を信じられることが、ネットワークの第一歩となります。ネットワークは、基本的に、個人の自由な参加を基盤にしているので、個人の意識や感情が大切なのです。

 今回の話は、「ネットワーク経済」や「連結経済」、いまもっとも流行っている用語でいえば、「Connected Economy(ツナガル経済)」の基礎をなします。

 そのためには、下記の3つの法則が重要であると社会心理学は教えています。

 その第一は、「単純接触の法則」です。人は、単に何度も会うことによって、自然と他人が好意的に思えるようになるという法則です。何度も会い、簡単な話をするだけでも、好意が高まるとみられています。家族の人々が親愛の情を抱くのも、まさに単純な接触行為の無数が基盤となっているかもしれません。いくら血がつながっていても、会うことがなければ、心は通じません。逆に、大変に仲がよかった友人でも、長期間会っていないと、その心理的関係が弱まることは往々にしてあることです。これをビジネスに応用すると、やはり、再々、メールや出会える機会を増やすということでしょう。SNSは、そのためには、有効なツールのひとつといえるでしょう。MA(マーケティングオートメーション)もこの法則の応用といえます。

 第二は、「類似性の法則」です。人は、自分と似ている人を好きになるという法則です。人は自身を大抵は愛していますので、自分と似ている人を肯定的に感じるのかもしれません。「類は友を呼ぶ」ということわざがあるように、似ている人は、基本的には感情面で一致するところがあると思われます。そこで、似たものを探すことがSNSも花盛りです。同郷、同年代、同じ趣味など、とにかく似ている面を強調することは、親近感を抱かせることにつながります。ネットは、この法則を体現化するツールといってもいいほどです。そのもっとも代表的なものが、オタク文化かもしれません。

 第三は、「好意の返報性の法則」です。人は、好意をもたれていると感じると、相手にも好意を抱きがちです。そのときに、あいさつでも、いいねボタンでも、もらえると嬉しくなるものです。小さい好意をお互いにし続けると、ふたりの関係性はより高まっていきます。細かい返報が、やがては、大きなビジネス上の返報に変わるでしょう。

 以上、一見、子供じみた理由や行為こそが、人間関係の基礎をなすといえます。

 この下地の上に、次回のような合理的な理由で、ネットワークは拡大するとみるのです。

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