第61回 最適生産
生産関数にもいろいろな型があることを前回みました。
今回は、生産者論の最後なので、前回出てきた「コブ=ダグラス型生産関数」を使って、費用制約の下での最適な生産要素の配分と生産量を考えます。
生産関数は前回みたので、ここでは、費用関数を定式化してみます。
TC = rK + wL ・・・・・・・・①
TCは、等費用(総費用)曲線を示しており、rは、資本のレンタル料、Kは、資本量、wは、賃金率、最後のLは、労働量です。ここでは、総費用を、資本にかかった費用(利子なども含めている)と労働費用の総合計と考えています。ここで①式を、②式のように、変形します。
K = -(w / r) L + TC / r ・・・・・・・②
この②式は、図表でいえば、赤い直線の「等費用曲線(iso-cost curve)」です。切片が、(TC/r)で、傾きが(w/r)です。
ここで、等生産曲線(Q)と等費用曲線が接している点が、E点です。等費用曲線は、最大の費用を示しており、それより下は、費用が余っている状態であり、それより上は、費用が足りない状態です。その費用の制約下、最大の生産量が、E点です。
そして、E点における技術的限界代替率(MRTS)と、等費用曲線の傾きが等しくなっています。
よって、最適な生産点の条件は、
MRTS = w/r ・・・・・・・・③
となります。