マクロ経済学第15回 比例税モデル
今回は、比例税率が存在するような経済モデルの乗数効果を考えます。
税額は、所得の大きさに依存することは現実的です。
そこで、税を定式化します。ここでは、税の総計を所得に比例する税と一括税の合計として表しています。
T = tY + T0 ・・・・・・・・・・・・①
T: 税 t: 比例税率 Y: 国民所得 T0 : 一括税 (0<t<1)
また、消費関数は、
C(Y) = c(Y- T) + c0 ・・・・・・・・②
ここで、第一式を、第二式に代入すると、
C(Y) = c{ Y – (tY + T0)} + c0 ・・・③
ここで、財市場の均衡条件に関する式に、第三式を代入すると、
Y = c(1-t)Y + c0 – cT0 + I* + G ・・・④
となり、以上のような式が出来上がります。ここで、マクロ経済学第13回のような作業をすると、
ΔY = -c/(1-c+ct)・ΔT0 ・・・・・・・⑤
となり、この場合は、tが存在する分、乗数効果は減少することを意味します。