第9回 ワルラス均衡
市場のフレームは、生産量と価格からなっていました。
ここでは、価格の調整による均衡を考えます。これをワルラス均衡といいます。
図表をみてください。
図表 ワルラス均衡 |
なんらかの理由で、価格が、P’のように高いときに、供給者はより多く供給したいと考えます。それに対して、需要者は、価格が高いので、需要は多くありません。そこで、この場合は、「超過供給」の状態となっています。ようするに、財が過剰に余っているのです。そこで、価格が低下することによって、均衡点Eに達します。この場合は、価格の調整メカニズムで、「ワルラス安定」になったのです。
また、何らかの理由で、価格が安すぎたとき(P’’)には、需要量が供給量よりも上回る状態となっています。これは、「超過需要」の状態といいます。この場合は、価格が吊り上がることで、また、均衡点Eに達し、安定します。
このように、価格が下がったり、上がったりしながら、均衡に達し安定することを、ワルラス均衡と呼びます。
これが、市場の価格調整メカニズムです。