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第12回 中古車市場を考える

 中古車市場は、アカロフによると「レモン市場」になる可能性がありました。

 しかし、現実の日本の中古車市場は、市場として十分に機能しているので、レモン市場化しない方略や制度を取り入れていると考えられます。

 その場合に、もっとも重要なことは、業者(売り手)の販売する優良車(ピーチ)が信じられないということだったので(業者の提示する情報に対して)、その情報を担保することが必要だったのです。

 それに対して、第一として、中古車に対する第三者による評価システムが考えられます。第三者が、客観・中立であれば、その優良車の認定は信頼できるでしょう。

 第二は、購入者が試乗することも重要です。現に、乗ってみれば、その良否はある程度分かるでしょう。しかし、自動車運転の経験が少ない人は、これでも分からないかもしれません。

 そこで、第三としては、自動車に詳しい人や専門家に同伴してもらえば、ほぼ良否は分かるでしょう。ただし、同業者間で話し合いがある場合(暗黙の了解)がありますので、それは気を付けましょう。やはり、強い人間関係のある人と一緒に買いにいくことが望ましいでしょう。

 第四は、自動車に保証がつけられていれば、安心です。万が一、不良品でも直してもらえるからです。最近は、中古車販売業者自身が、自社系列の中古車を扱う場合も増えています。

 第五は、永い社歴や業者に対する評判です。長い社歴があるということは、それなりに、正しい販売の結果、生き続けているという証なので、優良品をきちんと扱っているといえるでしょう。ただし、かつてはそうであったのが、近時は、そうでもないこともあります。経営が傾いている場合は、注意する必要があるでしょう。また、ネットなどの口コミもそれなりの優良品のシグナルといえます。ただし、ネット業者に依頼した口コミもありますので、この情報が信じられるかはよく吟味する必要があります。

 以上の要因を総合すると、優良車の購入確率は高まります。

 ここでのポイントは、情報の量ではなく、その情報の担保制度やシステムがあるかどうかだと考えられます。

 ほかの財の取引やあらゆる判断でも、「その情報の裏付けを示してよ」、ということは日常的にみられ行為です。

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