第3回 経済主体について
ここでは、経済活動における主体について考えます。
すべての人と企業や政府は、なんらかの有用なモノを利用して生活・活動しているので、すべて経済主体です。
ここでいう人は、消費者であり、利用者であり、生活者であり、労働者なのですが、経済学では、市場における取引を基本に考えていますので、「買い手」という言い方をすることも多いです。しかし、より学術的な経済用語としては、「需要者(demander)」といいます。いまひとつの側面は、「生産要素(production factor)」の提供者です。労働は、生産要素の代表です。労働者は、労働を企業に提供して、対価として賃金を得ます。
つぎに、企業も、株式会社や有限会社や各種法人などすべてこのなかに入ります。これも需要者との対概念として、「供給者(supplier)」という用語を使います。先の労働者が、労働という生産要素の提供者ですから、企業は、労働という生産要素の需要者といえます。
この2つの経済主体による市場の「需要(demand)」と「供給(supply)」の関係を考察するが、ミクロ経済学の「市場理論(market theory)」なのです。
さらには、政府は、三番目の経済主体といえます。ただし、政府は、上記からすれば、財やサービスの購入者としては需要者に含め、公共サービスの提供者としては供給者という、政府には2つの面があります。
さらには、政府は、市場のルールや制度を決め、市場を監視し、市場秩序を守るという役割があります。