第7回 市場の基本フレーム
ミクロ経済学の市場は、原則、完全競争市場を想定しています。
その市場の中で、需要者も供給者も、自己の効用や利潤を最大化するように行動します。
その結果、経済学の父、A・スミスがいうように、「神の見えざる手(God’s invisible hand)」で、市場は資源の最適配分を実現するのです。その理論的なメカニズムが、「市場の価格調整メカニズム」です。
ここでは、その市場フレームを簡潔に解説します。
その市場フレームを示したのが、下図表で、横軸は生産量(Q)をとり、縦軸は価格(P)をとります。
図表 市場の基本フレーム
図表のD曲線は、需要者の需要を示しています。S曲線は、供給者の供給を示しています。なお、曲線といっているのは、現実的には直線は存在しないので曲線といっていますが、直線での表現のほうが都合がいいので、ほとんどのテキストは直線で描いています。
D曲線とS曲線の交点が、E点です。これをミクロ経済学では、「均衡点(equilibrium point)」と呼んでいます。その意味は、需要量と供給量が同量となっているからです。ようするに、需要量と供給量が釣り合っているからです。
このE点で、均衡生産量(Qe)と、均衡価格(Pe)が決まります。もっというと、唯一の点として決まるのです。
今後は、この市場の基本フレームを使って、様々な場合を考察することになります。