第11回 需要関数の導出
今回は、需要関数を導出してみます。
個人の需要関数は、ある財に対して、価格が高いときには少ない需要で、価格が低くなるとたくさん買いたくなります。よって、個人の需要関数も図表のように、右下がりの曲線となります。
市場は、無数の需要者の参加でできあがっていますので、個人の需要をすべて横に足し合わせたものとなります。これは無数の人の全体需要ですから、ずいぶんと大きなものになり、右上に位置することになります。
図表は、全体需要(市場におけるすべて需要)を示しています。
数式としては、
D = f( P )
または、
D = - a・P + b
と表します。 Dは、需要量で、fは関数、Pは価格を意味しており、a、bは、常数です。
ここで、P1は、ずいぶんと高い価格のときですが、このときは、需要量はQ1しかありません。これに対して、P2のような安い価格では、需要量はQ2のように大きくなります。直線は、2点が決まれば描けるので、ここでも2点で説明しました。
ここで、需要曲線の傾きが緩やかな場合(水平に近いとき)は、需要の価格弾力性が大きく、傾きが急なとき(垂直に近いとき)は、需要の価格弾力性が小さいといいます。これに関しては、消費(者)の理論のときに詳しく述べます。