第12回 需要曲線のシフト
需要曲線は、前回でみたように、右下がりの直線でした。
需要曲線を作る条件が変わらなければ、需要曲線はシフトしません。
しかし、人々の需要はいろいろな理由で変化し、それによって、需要曲線がシフトしていきます。需要が高まれば、右上方にシフトしていき、低下すれば、左下方にシフトします。
図表は、需要が高まって、右上方にシフトいていることを示しています。すると、均衡点Eから均衡点E’になります。これによって、価格は高まり、需要量も増加します。供給者にとってもっとも望ましい状態といえます。
では、いかなる理由で需要曲線はシフトするのでしょうか。
第一は、消費者の所得が高まったときです。所得が高まると、原則として、需要は高まります。豊かになると、財をより買う余裕が生まれるからです。
第二は、他の財の価格動向です。たとえば、代替財の価格が上がれば、需要は拡大しますが、補完財の場合は、その価格が下がれば、補完財自身がよく売れるようになるとともに、この市場の財の需要も上がります(これも消費の理論の場所で話をします)。
第三は、天候も影響するといわれています。たとえば、暖冬では、冬物の売れ行きは悪くなり、冷夏では夏物の売れ行きは伸びません。自然のサイクルの変調によってその時の売れ行きが左右されるということです。
第四は、その財の嗜好の変化です。人々は、様々な理由で、財の嗜好を変えていきます。たとえば、流行や宣伝の影響などもあるかもしれません。これなどは情報の量にも依存しますが、ここでまとめて議論しておきます。
これらが、主な要因で、他にもありますが、おいおい、述べていきます。