第22回 政府の課税
政府は、原則、租税を徴収して、予算を編成し、国家を運営しています。その公共サービスの量と質がどのくらいが望ましいかはきわめて難しい社会経済問題です。
今回は、政府が課税をすると、余剰はどうなるかをみます。
ここでは、従量税tを課した場合を考えます。課税tによって、供給曲線Sは、上方にシフトします。課税t分上方にいき、S’曲線となります。
結果的にいいますと、総余剰は、この場合も減少します。図表を使っていえば、三角形GEKほど減少します。総余剰は、四角形FGKOです。消費者余剰は、三角形FGHとなります。生産者余剰は、三角形JKOとなります。一単位tの税なので、Q’生産するので、総税収額は、四角形HGKJとなります。
この租税収入は、政府が、消費者および生産者のために支出しますので、総余剰として組み込まれます。しかし、先ほども述べたように、三角形GEK分、これは、「死荷重(dead weight)」もしくは「厚生損失(wefare loss)」と呼ばれていますが、総余剰が減少していることは間違いがないのです。
これまで、価格規制があった場合、生産規制があった場合、今回は、租税を課した場合ですが、いずれも、政府が市場に関与すると、総余剰は小さくなることをみました。
他の言葉でいえば、パレート最適が成立せず、非効率な資源配分となるのです。