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第25回 外部不経済

 市場を通さずに、市場外の経済主体に、負の影響が及ぶ場合が、外部不経済でした。市場取引外の人々にマイナスの影響が及ぶのですが、そのマイナスの影響、すなわち、コストは、価格に反映されていません。

 外部不経済を生み出している個別企業の費用関数は、PMC(Private Marginal Cost:私的限界費用)です。この場合の市場均衡点は、E’となり、生産量は、Q’です。

 名目上の総余剰は、三角形AE’Oです。

 しかし、この場合、生産一単位当たり、xの費用を社会に与えています。たとえば、大気汚染という公害ですと、近隣の住民の服などのクリーニング代や、肺の疾患などの治療代などが発生します。近隣の人々が病気になると、患者さんも治療費を負担しますが、国家も社会保障として負担しています。

 この負の価値、すなわち、四角形FCE’Oは、総余剰からひかなければなりません。すると、真の総余剰は、「三角形AE*F - 三角形E*CE’」となり、三角形E*CE’は、死荷重(厚生損失)となります。

図表 外部不経済

 本来ならば、当該企業は、SMC(Social Marginal Cost:社会的限界費用)まで、コストを負担すべきなのです。

 すると、生産費用が高くなった分、生産量は、Q’からQ*まで減少します。

 これによって、資源が最適に配分されるパレート最適点(E* )が実現できます。

 この場合の総余剰は、三角形AE*Fとなり、PMCの場合のように、死荷重は生まれずに、総余剰は最大化します。

 

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