note

日々の研究を記します。

  1. HOME
  2. ブログ
  3. チカ .K
  4. 第44回 独占市場化する理由

第44回 独占市場化する理由

 独占市場(供給独占市場)とは、1社しか供給者がいないような市場です。

 供給者が1社しかいないのですから、直感的に、独占者の市場支配力は大きく、「プライスメイカー」として横暴な行動にでるように考えてしまいます。しかし、ミクロ経済学では、独占者も、利潤の最大化という合理的行動にでたに過ぎないとみます。ただし、結果、「独占利潤」をもたらし、社会の総余剰は小さくなるので、独占の弊害は理論的に存在するとみます。

 ここでは、独占市場になる理由を6つの要因で考えていきます。

図表 独占化の理由

 第一は、権利がもたらす独占です。図表のなかでは、知的財産権を上げています。すでに公共財のところでもみてきたように、特許権や著作権による排他的権利によって独占状況がもたらされることがあります。

 第二は、製品の差別化です。現代は、加速的に製品が進化・変化しており、その製品差別化が独占状況をもたらすことがあります。ただし、自身の製品がイノベーションで進化するとうことは、他社も同様に進化することが普通なので、際限のない創意と工夫によりその差別化は続くと考えられます。ただし、この場合は、のちに議論する独占的競争のほうがより馴染むともいえます。

 第三は、規模の経済の存在です。他の言葉でいえば、費用逓減産業の存在です。生産規模が大きければ大きいほど効率よく生産できる産業の場合、あえて1社に独占させるほうが望ましいといえます。具体的には、電力、水道、ガスなどの公共インフラです。

 第四は、ネットワークの存在です。ICT産業やネットワークビジネスでは、ネットワーク規模が大きいほど「ネットワーク外部性(network externality)」が働き、独占化しがちです。しかも、その規模がある程度以上になれば、市場が「ロックイン(rock in)」することもまれではありません。現代の巨大プラットフォームビジネスは、その力の源は、このネットワーク外部性といえます。

 第五は、地理的環境要因です。日本だけではなく、普遍的に、過疎化が進む地理的条件があります。そのひとつは、離島です。つぎが、中山間地域で、最後が半島です。このような地域には、主要な交通網がなく、経済は発展せず、人口は激減します。そのような場所にある店は、まわりの店が閉店していく中、最後に生き残れば、結果、独占化します。

 第六は、資源のもとを抑えるということです。希少資源を抑えれば、おのずと独占化できます。

 以上のほかにも様々な理由があるでしょうが、上記が主なものです。

 次回は、独占市場の利潤最大化条件を考えます。

関連記事