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第67回 価格変化と消費の関係

 今回は、2財のうちに、1財の価格が低下することによって、消費量がどのような影響を受けるかを考えます。

 図表は、A財の価格が下がった場合を考えています。

 予算式を、これまでも何度も出てきましたが、今一度示すと、①式となります。

 B = -(Pa/Pb)A  + I/Pb  ・・・・・①

 (Pa : A財の価格、Pb : B財の価格、I:所得)

 ここでは、A財の価格が低下すると考えているので、①式のPaが下がったということです。すると、予算線の傾きが緩やかになります。

図表 価格変化と消費の関係

 図表でいうと、予算線(BL1)は、BL2のように、A財の購入範囲が広げることになります。たとえば、A財の価格が半分になると、ちょうど倍の量購入可能となります。

 このように、財の価格が下がることによって需要量が拡大することを「需要法則 (law of demand) 」と呼びます。「需要曲線」が原則として右下がりであることの理由といえます。なお、市場における全体需要も個別需要の合計なので、やはり右下がりとなります。

 ここで、A財の最初の最適消費点E1から、価格が下がった場合の最適消費点E2の移動を、「2つの効果」から説明します。

 まず、価格が下がった予算線(BL2)に平行な補助線(赤い破線のBL3)を引きます。このときに、最初の無差別曲線(U1)と補助線BL3との接点は、E3点です。このE1点から、E3点への移動は、「代替効果(substitution effect)」のためであるとみます。なぜなら、同じ無差別曲線の上にある点の移動だからです。

 これに対して、E3点からE2点へは、補助線がBL2線と平行線ですから、「所得効果(income effect )」といいます。価格の低下によって、実質的な所得が増加したといえるからです。

 まとめると、E1点からE3点への効果である代替効果と、E3点からE2点への効果である所得効果を足すと、「全部効果(all effect)」として、最適消費点がE1点からE2点へ移動するのです。

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