マクロ経済学第18回 投資関数
「投資関数(investment function )」とは、投資がどのような要因で構成されるのかを表した関数のことです。
投資の決定要因は、様々なものが考えられます。たとえば、利潤率、内部留保の大きさ、資本蓄積の大きさ、国民所得水準、リスクの認識、技術進歩などです。個別企業の経営状況や属している産業の展望などにも影響を受けると思われます。
ただし、標準的なマクロ経済学のテキストでは、ケインズの投資理論が中心となりますので、ここでもそれに倣います。
まず、企業は、調達した資金を投資に回し、利潤の最大化を実現すると考えます。
その場合、利子率と投資の限界効率との関係で投資水準が決まると考えます。
ある企業が、図表のように、3つのプロジェクト(PⅠ、PⅡ、PⅢ)を抱えているとします(それぞれの数値は限界効率ですが仮定です)。
企業が新しい投資から予想される収益率を、「投資の限界効率(marginal efficiency of investment)」といいます。
市場から調達する資金の利子率よりも大きい限界効率は、企業にとって、利益を生み出しますので、そのプロジェクトは採用されます。図表でいえば、PⅠとPⅡは実施され、PⅢは、却下されることになります。
この場合、市場の利子率が低下すれば、投資量が増加します。図表でいえば、利子率が3%未満となれば、プロジェクトⅢも採用されることになります。
このように、投資量は、限界効率と利子率との関係で決定されると考えるのです。