マクロ経済学第22回 IS曲線の性質
IS曲線となにかを、今一度確認すると、財市場において、国民所得(Y)と利子率(i)が均衡する関係を示した曲線のことです。原則として、下記の図表のように、右下がりの曲線となることは前回述べました。
では、この曲線の性質を簡潔に述べます。
ここでは、財市場の均衡から外れる場合を考えます。
IS曲線上にあるすべての点は、供給と需要が均衡しているということですから、これから外れている場合は、不均衡状態を意味します。
図表を使って説明すると、E点は、曲線上にあるので均衡していますが、A点は、同じ国民所得(Y0)ですが、不均衡な状態です。この場合、A点は、E点よりも利子率が高くなっています。そのときには、投資が小さくなっているので、供給に対して需要は小さくなっており、いわゆる、「超過供給(excess supply)」に陥っています(曲線の上方はすべてそうなっています)。
逆に、B点では、同じ国民所得でも利子率が低いので、投資が増加して、結果、「超過需要(excess demand)」となっています(曲線の下方はすべてそうです)。