マクロ経済学第26回 貨幣分類
日本銀行は、いろいろな貨幣を分類して、統計をとっています。それを定義という場合があります。すなわち、M1、M2、M3,および広義流動性です。この目的は、日本の中にどのような通貨がどのくらい存在しているのかを把握するためです。そのメルクマールは、支払手段性と貯蓄手段性のどちらを重視するかということです。
「貨幣流通量(Money Supply)」という言葉もありますが、ここでは、「マネーストック(Money Stock)」という言葉を使うことにします。
この場合でも、マネーの機能に依存して貨幣は分類されているのです。
M1= 現金通貨 + 流動性預金
M2= 現金通貨 + 貯蓄性預金
M3= M1+準通貨 + CD
これに簡単な解説をつけておきましょう。
流動性預金は当座預金や普通預金などで、いつでも現金化することができるもので、現金通貨とともに、流動性がもっとも高いもので、M1は構成されます。
M2の貯蓄性預金には、定期預金などが入ります。
「CD(Certificate of Deposit)」とは、譲渡性預金のことです。もう少し述べると、銀行が無記名で発行する譲渡可能な預金のことです。
準通貨とは、定期預金、据置預金、定期積立、外貨預金から構成されています。
最後に、これも、マネーストック指標のひとつですが、「広義流動性(Broadly-Defined Liquidity)」とは、M2にCDと郵便預金、国債、信託、農協漁協の預貯金などを加えたもので構成されます。