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マクロ経済学第47回 AD-AS分析

 AD-AS分析(総需要-総供給分析)とは、物価(P)と国民所得(Y)との関係を分析したものです。

 図表1は、古典派におけるAD-AS分析のフレームを示しています。

 古典派の理論において、総供給曲線(AS)は、つねに均衡していると考え、完全雇用国民所得(Yf)の水準で垂直な形状となっています。この時に、政府が有効需要を高めるために、積極的(拡張的)な財政政策を採用したとします。すると、図表1のように、AD曲線はAD’曲線に移行します。結果、均衡国民所得は変化せず、物価水準(P)のみが上昇します。すなわち、財政政策が有効ではないことを意味します。

 図表2は、ケインズ派のAD-AS分析フレームを示しています。

 ケインズ派の理論では、労働市場は均衡する場合としない場合があると考えます。図表2のように、右上がりのAS曲線の局面では、完全雇用は実現しておらず、失業が存在しています。完全雇用国民所得の水準に達すれば、古典派と同じように、AS曲線の形状は垂直となります。

 ここで、右上がりのAS曲線の場合において、積極的な財政政策を採用した結果、国民所得が増加し、物価水準も上昇します。これに対して、AS曲線が垂直な場合においては、財政政策は、古典派と同様に、国民所得は増加せず、物価水準のみが上昇することになります。

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