第66回 所得と消費の関係
ここでは、所得が変化したときの2財における最適消費を議論します。なお、図表では、所得が増加した場合をみていますが、所得が減少する場合も、同じような考え方を用います。
図表は、横軸がA財の消費量で、縦軸がB財の消費量を示しています。
ここですでにみてきた予算線は、下記のように定式化できます。
B = -(Pa/Pb)A + I/Pb ・・・・・①
(Pa : A財の価格、Pb : B財の価格、I:所得)
①式のAの係数は予算線の傾きを示し、切片がI/Pbです。
ここで、所得が増加すると、図表のように、BL1(予算線)から、BL2へ平行移動します。それは、I(所得)が増加すると、切片が上方に移行するからです。この場合、予算線の傾き(Pa/Pb)は変わりません。
原則として、所得が増加すると、消費は増えます。それを示しているのが、図表1です。ここでは、A財もB財も、消費が増えています。
所得が増加すると、消費が増える財は、「上級財(superior goods)」または「正常財(normal goods)」といいます。図表1のA財もB財も上級財ということです。
これに対して、図表2のB財は、所得が増えているにもかかわらず、消費量が減っています。そのような財は、「下級財(inferior goods)」または「劣等財」と呼ばれています。A財とB財が、代替関係にある場合、所得の増加は、より高級なモノ(品質も含めて)が選択されるとみています。