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第4回 ロングテール

 前回は、インターネット地図のなかにいる巨大なハブの存在をみました。「巨大なハブ」は、無数のリンクをもっていますが、その企業数はごく少数です。それとは反対に、少数しかリンクをもたないノード(企業や個人)は、無数にいるのです。

 先の「べき乗則」の図は、両軸に対数をとっているので、直線として表現されていましたが、実数でみると、下に凸で、かつ、裾野のながい曲線となります。これは、長い「ロングテール」(長い裾やしっぽのような形状)をもっています。

 いま、このロングテールの存在が、注目されています。

 よく考えてみると、今を時めくGAFAなどのICTの巨大企業も、その歴史はそんなに長くありません。そのほとんどは、小さなベンチャー企業として産声を上げて、急速に大成長したものです。

 その成長のメカニズムもまさに「ネットワークの経済法則」(Network Economy)に乗るのですが、それは後日お話しします。

 ここでは、いまは小さくとも、無数のロングテールの中から、また新しいEビジネスが生まれるということを考えます。このときに、日本は米国や中国と比べて、新しいアイデアやスタイルをもったEビジネスの出生数(率)が低いことが問題です。やはり数打てば当たるというわけではないものの、企業の成功は、一定の成功率であると考えれば、やはりある程度の数がいるといえます。

 ロングテールという言葉を使うならば、その裾野をより広げる(伸ばす)ことが必要でしょう。

 そのためには、人材の育成が欠かせません。そこで、2020年から、小学校でのプログラミング教育が始まります。また、高等教育でのAIやデータマイニング教育も本格化しますが、大企業のなかでのデジタル化やAI化を徹底的に進めてほしいと思います。

 もっとも期待したいのは、やはり、いまはロングテールにいる中小企業です。ネットワーク化は、その費用は、無料または低価格なSNSがたくさんあり、利用の仕方次第では、大化けすることも可能だといえます。

 起業家の育成も大事でしょうが、現に存在している200万社以上の中小企業が、全体で「デジタルフォーメーション」(デジタル企業への変身)か、一部でも進めてほしいと切に願います。

 数打てば当たるでいえば、企業が小さいICT系の事業や部門をいくつか作っても数のうちに入ります。

 そのときに、ネットワークは、様々な企業と経営資源とくに情報を共有できるので、成功確率を上げる手法としても重要であると考えます。

 

 

 

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