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第8回 部分均衡と一般均衡

 前回は、均衡概念に言及しました。

 均衡することで、市場均衡量と市場均衡価格が得られると考えました。その均衡点は、まさに、需要量と供給量が釣り合っている(均衡している)ので、財が過不足のない理想的な状態だといえました。

 実は、この均衡には、「部分均衡(partial equilibrium)」と「一般均衡( general equilibrium )」があります。市場均衡を考えるうえで、この2つは大きな違いがありますので、ここで簡単に説明しておきます。

 ひとつの財の取引においても、実は様々な要因が影響を与えています。たとえば、ある財が売れれば、ある財が売れなくなったり、逆に、もっと売れるようになるかもしれません。またその前提条件が複雑すぎると、分析が困難になります。

 そこで、部分均衡では、ひとつの財の取引量と価格のみを考えます。

 それ以外の条件は、変わらないとみます。これは、「セテリス・パリブス(他の事情は同じならば)」の前提を置くと呼ばれています。他の言葉で言い換えると、「その他の条件は一定」とみなすのです。

 それに対して、一般均衡は、すべての財の均衡を考えます。しかし、ひとつの財の需要量や価格は、他の財のそれらに連動していると考えるので、厳密な意味で、一般均衡は描くことが不可能です。そこで、2財における影響を同時に考えるモデルを使って一般均衡は考えていきます。

 今後、一般均衡モデルといわない場合は、原則、部分均衡モデルを想定し、その財の量と価格を考えていきます。

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