第45回 独占利潤
独占市場における利潤(独占利潤)を今回は考えます。
独占市場においては、需要曲線は、右下がりとなります。理由は、一社が、すべてのひとの需要を満たしているからです。
その需要曲線は、普通、直線で表現しますが、その場合、「限界収入(MR)」曲線は、需要曲線の傾きの2倍となります。
ここで、利潤最大化の条件をみてみます。
利潤式は、
利潤(π) = 総収入(TR) - 総費用(TC)
π = P(Q)×Q - C(Q)
となります。ここで、Qについて微分し、利潤最大化条件を求めると、
MR = MC
となります。なお、MRはTR(総収入)を微分したことを表し、MCはTC(総費用)を微分したことを表しています。
そこで、MR=MC であるC点から、需要曲線と交わった点が、E点です。それを左にいくと、独占価格(p*)が得られます。このときに、独占供給量は、Q*となります。そこで、一個あたりの利益は、P*- B です。これにQ*をかけると、独占利潤P*EABが得られます。
独占者は、プライスメイカーなので、利潤が最大となるような価格をつけて、利潤を最大化します。
すでにお話ししたように、いろいろな理由によって、独占市場が形成されます。独占者は、市場のチャンピオンのような存在ですが、次回にお話しするように、その資源の非効率性ゆえ、政府による大きな関与(規制)が正当化されます。