第46回 独占市場の非効率性
ここでは、独占市場における非効率性を考えます。
理論フレームは、前回とまったく同じですが、理解しやすいために、MC(限界費用)を直線として描きました。
ここで、独占市場の利潤最大化の条件から、MR=MC によって、交点Bが得られます。これより、独占価格P*と独占供給量Q*が決まります。
これは、完全競争市場のときよりも供給量が少なくなっています。
完全競争市場であれば、E点で供給量が決まります。
その場合の総余剰は、三角形AEOとなることはすでにみました。
それに対して、独占市場による場合は、総余剰は、四角形AE*BOとなり、三角形E*EBが、死荷重となります。すなわち、この分だけ、総余剰が減少したのです。
このように、独占市場では、原理的に総余剰を小さくすることとなり、資源の効率的な配分上望ましくない市場といえます。