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第48回 複占の理論

 今回は、複占の理論を考えます。

 複占とは、2社で市場を形成する市場のことです。

 独占ほどではないにしても、価格への影響は大きいと考えられます。

 この寡占市場においては、「生産量競争」をする場合と「価格競争」をする場合が考えられます。

 まずは、生産量を巡っての競争を考えます。この中では、図表のような「クールノー競争(Cournot competition )」と「シュタッケルベルク競争(Stackelberg conpetion)」が有名です。

 クールノー競争とは、「2社が同質の財の生産競争をする場合において、相手の生産量を予想しながら、自社の利潤最大化を図ろうとする競争」のことです。

 図表を使って説明します。相手の数量を予想しながらなので、「反応曲線」という言葉を使っていますが、X社もY社も同様の行動をとり、結果、E点が均衡点となります。この点を、「クールノー均衡点」といいます。なお、A点は、X社の最適供給量を示し、B点がY社の最適供給量を示しています。

 これに対して、同じ数量競争ですが、2社の間に、序列がついている場合です。すなわち、リーダー(先行者)とフォロワー(追随者)がはっきりしている場合です。このような競争を、「シュタッケルベルク競争」といいます。リーダーは、フォロワーが、自社の行動に後追いして生産量を決定するとみ、フォロワーは、リーダーの生産量を所与として利潤の最大化を図ると考えます。この場合、リーダーが圧倒的な市場シェアを獲得することが多いと考えられます。

 これらに対して、価格競争の代表的理論は、「ベルトラン競争(Bertrand competition)」です。2社がそれぞれ相手の価格を所与として自己の利潤の最大化を図るという競争モデルです。この競争は、過剰生産力の状況下で起きやすいとみられています。この場合、限界費用と価格が同じになるまでに値下げ競争が続くと考えられます。

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