note

日々の研究を記します。

  1. HOME
  2. ブログ
  3. チカ .K
  4. 第65回 最適消費点

第65回 最適消費点

 ここでは、2財の消費における「最適消費点(optimum consumption point)」を考えます。

 前回お話をした無差別曲線が、図表のU曲線です。今一度述べますと、U曲線上の効用は同じなので、差別化されない曲線という意味で、無差別曲線と呼んでいます。

 横軸がA財の消費量で、縦軸がB財の消費量です。

 ここで、ミクロ経済学は、消費者であれ、生産者であれ、限られた資源(予算や費用)を使って、最適な量を導き出します。

 ここでは、消費者における問題なので、個々人の所得(家計)を考えます。

図表 最適消費の決定

それを定式化すると、①式となります。

 I = Pa・A + Pb・B    ・・・・・・①

 (I:所得、Pa : A財の価格、A:A財の消費量、Pb:B財の価格、B:B財の消費量)

 この①式は、ある個人の予算線(BL: budget line)です。一定のI(所得)の中で、最大の消費を考えようとしています。予算線より下は購入可能ですが、予算を使い切っていない状態です。また、予算線以上は、購入不可能です。

 よって、予算すべてを使った最大の消費量は、E点となります。

この①式を変形すると、②式が得られます。

 B = -(Pa/Pb)A  + I/Pb  ・・・・・②

 ②式のAの係数は、②式の傾きを示しています。

 E点での接線の傾きは、前回みた「限界代替率(MRS)」でした。

 ここで、最適消費点の条件は、

 MRS = Pa/Pb   ・・・・・・③

 となります。

 すなわち、無差別曲線と予算線が接するE点は、限界代替率と予算線の傾きが同じになることを意味しています。

関連記事