マクロ経済学第11回 均衡国民所得
「有効需要の原理(principle of effective demand)」は、ケインズの唱えた考えです。
ヒトの欲望は、限りがないといえますが、社会経済においては、支払う金銭的裏付けのともなった需要が、「有効需要(effective demand)」です。端的にいうと、消費と投資がそれです。ですから、有効需要を高めるためには、消費と投資を増やしてやればいいのです。
不況下においては、生産設備や労働力は不足していないにもかかわらず、有効需要が不足するために、失業者が生まれるとケインズはみました。
この総需要は、Ydと表しますが、式は①となります。
Yd = C+ I ・・ ・・・・・・・・①
しかし、ここでは、政府支出(G)と海外貿易(輸出EXと輸入IM)はないとして考えています。
また、投資(I)は、不況下においては、増大することは考えにくいので、投資は固定されたと考えます。
I = I* ・・・・・・・・②
また、これまでの議論より、消費関数は③式となります。
C = C0 + cYd ・・・・・③
第二式と第三式を第一式に代入すると、第四式ができます。
Yd = 1/(1-c)(I* + c0) ・・・・・・・④
第四式の総需要曲線と、図表の45度線は総供給曲線なので、その交点から、「均衡国民所得(equilibrium national income)」が導けることとなる。別名は、均衡GDPです。
繰り返しとなりますが、図表に簡単な説明を加えると、投資は固定されているので、水平な線となります。これに消費関数を加えると、(C+I*)の線となります。これと先に述べたように、45度線(総供給曲線)の交点で、均衡国民所得(Y*)生まれます。