マクロ経済学第16回 デフレギャップ
今回は、「完全雇用国民所得(Full Employment National Income)」と「均衡国民所得(Equilibrium National Income)」との関係から、「デフレギャップ(Deflation gap)」を考えます。
まず、完全雇用国民所得(Yf)とは、「完全雇用が実現できている国民所得」のことであり、財市場が均衡している状態です。
これに対して、均衡国民所得(Y0)は、財市場で、総需要と総供給が一致している国民所得のことです。
図表の総供給曲線(Ys)は、45度線のことです。それと総需要曲線(Yd)の交点から、均衡国民所得(Y0)が導けます。
Yfのときに、総供給が総需要を上回っている状態となっており、これを「デフレギャップ」といいます。
この場合、供給過剰となっていますので、物価が下落することになります。
そうならないためには、総需要拡大政策が必要となります。具体的には、政府支出を増大させたり、減税政策や金融緩和政策をとります。
すると、均衡国民所得が完全雇用国民所得と一致して、「非自発的失業(involuntary unemployment)」が解消されることとなります。