マクロ経済学第43回 拡張的金融政策
この金融政策に関しては、マクロ経済学第33回で、すでにお話ししました。
再掲になりますが、金融政策の定義は、「中央銀行が通貨の供給量を調節したり、金利水準を変更したりすることによって、総需要とくに企業の投資需要に影響を及ぼし、経済の安定・成長をはかろうとする政策」(岩波『経済学小辞典』引用)のことでした。
この場合、図表のように、中央銀行が「拡張的金融政策(expansive monetary policy)」を実施すると、LM曲線が、右下方にシフトします。すると、国民所得は増加して、利子率は低下します。
それは、金融政策の3つの柱として、金利政策では金利を下げ、支払準備率操作では、準備率を下げ、公開市場操作では、買いオペレーションを実施することで達成されます。ようは、貨幣供給量を増加させて、国民所得を増加させることを目的とするといってもいいでしょう。
ただし、ケインズの理論では、LM曲線が水平や垂直の場合、、「正常」(図表のように右上がりの曲線)とは異なった動きを示すといいます。
そこで、次回は、そのようなLM曲線の形状の場合を議論することにします。