マクロ経済学第44回LM曲線の形状
今回は、IS-LM分析の最後として、LM曲線の形状の3つのパターンから話をします。
図表にも表現されているように、LM曲線は、「流動性のわな」に陥っている局面(a-b)と、正常であると考えられる右肩上がりの局面(b-c)と、垂直の局面(c)があります。
まず、流動性のわなの起きる理由は、マクロ経済学第30回で話をしましたが、この局面では、貨幣供給量を増やしても、国民所得は伸びません。図表では描かれていませんが、水平面が延長される形となります。しかし、IS曲線の移動は大きく国民所得を増加させることになります(財政政策の効果が大きくある局面といえます)。
つぎに、正常面では、国民所得が増加するとともに、利子率の上昇もみられます。
最後に、LM曲線が垂直な場合には、IS曲線のシフトでも、国民所得は増加せず、利子率のみが上昇します。