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第1回 インターネットビジネス序説

 このコラムでは、インターネットビジネスやe-ビジネス関連の法則や現象に関する論及を進めます。

 2019年5月に、新陛下が誕生し、新元号に変わります。日本人にとっては、新しい時代の幕開けともいえ、大いに、晴れがましくも、清々しい気分といえます。こんな時に、常に、年寄りは、若者、とくに平成生まれの人々に、君たちも古い年号の人々になり、昭和人を笑えなくなるぞと、嫌みなことを言います。年寄りの定番冗句のひとつです。という筆者のバリバリの昭和人ですので、つい先日もぴかぴかの学生たちに言ってしまいました。でも、また将来、今の若者も同じことを言うのでしょうから、同じ穴のムジナです。このような冗句は、かの太古のエジプト人もいったそうです。今の若者は、軟弱になったと。

 そんなことは置いておいて、2018年あたりから、日本においても、AIブームが来ています。ブームは、いずれ幻滅に変わりますが、今回の第三次AIは、確実に成果をあげつつあります。ある程度の成果をあげても、期待の方がまされば、失望は広がりますが、小さい領域、課題でも、どんどんと成果をあげていくと、総合的・全体的には、大きな進歩となります。2018年は、「AI元年」といわれています。2019年は、日本の大企業の大半はAIの導入に前向きです。しかし、米国および中国には、AI投資では、大差をつけられており、これからの巻き返しが望まれています。

 このAIという武器(ビジネスツール)は、政府のいう「第四次産業革命」を推進する源のひとつでしょう。これは、官民およびマスコミの合言葉であり、「情報の世紀」「データの世紀」というワールドビューを形成するバズワードです。

 ところで、皆さんは、「インターネット地図」(Internet Map)という言葉をご存知でしょうか。この言葉や概念が世に出て、20年以上になります。これを論じたもっとも有名な書物は、『複雑な世界、単純な法則』(M・ブキャナン著、坂本芳久訳、草思社)です。この本では、人が現実に利用するインターネットの状況と人間の脳神経や、はたまたウイルスの伝染まで、簡単な法則が、結果として、複雑な現象や形態をもたらすとみています。

 その簡単な法則というのは、ネットワークの法則のことです。ネットワーク論や、グラフの理論は、「ノード」(結節点)と、その「リンク」(日本語では、つながりや紐帯や絆といい、AI用語では、エッジといいます)の2つの要素(概念)で構成されます。この2つの要素の組み合わせで、様々なネットワークを記述し、表現しようとします。そのシンプルな構成要素から、複雑怪奇な様々な現象・形態・様相を考察するのです。

 インターネットビジネスやe-ビジネスやICTを利活用したビジネスは、まずは、このベーシックな認識や基盤によって理解することができます。

 次回は、その「インターネットの地図」(Internet Map)から、インターネットおよびそのビジネスの本質を考えます。

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