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第26回 外部経済

 前回は、市場を通さずに、負の影響が市場外に漏れ出す問題を考えました。今回は、逆に、正の効果が、市場を通さずに、外部に及ぶ問題を考えます。

 よい効果が市場取引者以外の他者に及ぶので問題はあまりないともいえます。他人に迷惑がかかっているわけではないからです。しかし、せっかくのよい効果ならば、もっと広く及ぼした方が社会的に都合がよいといえます。

図表 外部経済のフレーム

 個別企業の費用は、図表のPMCです。これでは、生産量は、Q’しかできません。たとえば、環境に大変によい技術製品のさらなる改良や普及にもお金がかかります。そこで、費用を社会が一部負担してあげることも考えられます。そのひとつが、補助金の交付です。補助金によって、個別企業は、より大きな生産量Q*が実現します。

 PMCの費用関数では、E’の均衡点で、総余剰は三角形AE’Bでしたが、パレート最適点であるE*では、総余剰は三角形AE*Oとなり、総余剰が最大化しています。補助金行政はあまりいいイメージはありませんが、ここでみるように、外部経済が生まれるときには補助金は有効な手段といえます。

 ただし、どのような外部経済に対してどの程度の補助金が望ましいかは、図表では、SMCと同じになるようにといえますが、それを測定することは容易なことではありません。なぜなら、市場外に及んだ外部効果の対象を特定することと、その効果の大きさや持続性は目にはみえないものが大半だからです。。

 

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