マクロ経済学第35回 支払準備率操作
支払準備率については、本コラムマクロ経済学第31回でもお話しました。
ここでは、その政策として述べます。
この支払準備率は、別名、「法定準備率(Legal reserve requirement)」と言われています。
金融政策の一つで、「準備預金制度に関する法律」(1957年)に基づいて実施されるようになりました。
今一度この用語の定義を書きますと、「銀行の負う債務である預金に対する支払準備の割合」のことです(『岩波経済学小辞典』引用)。
これを政策から見た場合には、「支払準備率操作(Legal reserve requirement operation)」といいます。
この準備率を引き上げると、市中銀行の貨幣の貸出量が減少し、結果、信用創造が小さくなります。これは、「金融引締政策(restrictive policy)」で、好景気の過熱を抑制する効果が期待できます。この反対に、準備率を引き下げると、貨幣供給量は増加して、投資や消費を刺激して、不況対策となります。これは、「金融緩和政策(easy monetary policy)」といえます。