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自己成長と創造の社会経済01 はじめに

 本コラムは、情報経済論の講義の一部を簡潔に解説します。

 今回から数回にわたって、「自己成長と創造」に関する問題を考察します。

 

パネル1 はじめに

 

 この議論のもとは、近代西洋の合理主義的な諸理論のなかに、東洋の知を取り入れることができるのだろうかという観点からはじまっています。

 また、M・チクセントミハイの「フロー理論(Flow Theory)」を援用しているので、彼の理論からの視点で考察しています。

 かれは、米国の大学教授で西洋人ですが、彼の理論を極める過程で、東洋の知に行き着いたといいます。

 ここであげるフローは、東洋人ならば当たり前のことを、西洋人である研究者が「発見した」と述べています。西洋人にとって、東洋はつねに発見される対象であり、未知の存在や未知の思考法であるとみられています。さすがに、洋の東西はメディアの発達によって、だいぶ解消されつつあるようにも思えますが、根本的な部分ではいまだ相互理解にはいたっていないでしょう。

 それにしても、中国の諸子百家がでた2000年前にすでに西洋の思想や考え方の大半が生み出されているのには驚かされます。アジアの古代文明の中心は明らかに中国でした。

その東洋的思想をいわば科学的視点で解き明かそうとしたのが、フロー理論です。もともとの彼の問いは、「なぜ人間はお金にはならない遊びに夢中になるのか」を解明することでした。それを問い続ける中で、仕事の意義や自己成長の可能性を追求し始めたのです。

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