カイヨワの『遊びと人間』の第二章の解説
カイヨワは、遊びをできうる限り、合理的、理論的に考えようとしました。
そこで、遊びは無数に存在しますが、ほぼ、次の4に、カテゴライズできるといいます。
その4つとは、「競争と、偶然と、模擬と、めまい」です。
競争は、アゴン(Agon)といいます。もっとも典型的なものは、スポーツです。競い合うから楽しいのです。しかし、いつも勝ったり、いつも負ける場合は、まさに試合にはなりません。
つぎに、偶然は、アレア(Alea)といいます。さきの競争の結果であったり、条件でもありますが、運、不運が遊びには必要なのです。
さらに、模擬は、ミミクリー(Mimicry)といいます。一言でいえば、何か、だれかの物まねをすることです。子供は、ままごとや、大人の仕事の物まねをします。または、コスプレなどもこの範疇に入ります。様々な芸事も、まずは師匠の物まねからはいります。
最後に、めまいは、イリンクス(Ilinx)といいます。
こどもは、つねに動き回っています。走ったり、飛び跳ねたり、すべったり、回転したりします。身体を激しく動かすこと、または制御することが、楽しいのでしょう。大人でも、車でスピードを出したりすると、ここちよい感覚に陥ることがあります。
遊びのなかには、この4つの要素がすべて入っていることもありますが、少なくとも、このどれかが入っていると、カイヨワは論じます。
現代社会においては、遊びがいちだい大産業に発展しています。
そのときに、他社よりも優れた遊びを開発するためには、ここにあげた遊びの本質を理解して、それを具現化する必要があります。
いいかえると、遊びのステージと遊びのプログラムの最適化です。
最高の遊び、エンターテイメントを、提供する企業は、遊びの社会経済の勝者になるでしょう。